9/23 土
りんご音楽祭2023に参加していたよ、というのは2023年38号に書いた通り。帰宅して、父親から連絡がきていることに気が付きます。帯広で入院しているおじさんがよろしくない状態、とのことでした。考えたくもないことだな…と思いながらいちおう明日には帯広を目指して移動できるように交通の下調べだけしつつ、父に「なにかあったら連絡ちょうだい」とお返事して眠りにつきました。楽しかった音楽フェスの興奮がありつつ、おじさんのことが心配です。さまざまな感情が混ざり合っていた夜です。
9/24 日
いつもより早めに起きてスマートフォンを確認すると、父母妹弟弟との間で開いているLINEのグループチャットに新着メッセージあり。おじさんが亡くなってしまいました。きのうのうちに調べておいた経路で帯広に向かうことにして、急ぎで飛行機とホテルを手配します。長野県松本市から北海道帯広市に直で移動する手段はないので、まずは今日、妻とふたりで札幌市まで進みます。
9/25 月
ホテルをチェックアウトして弟1と合流します。ぼくには弟がふたりいて、弟1の運転する車で札幌市から帯広市まで移動することになっていました。ぼくの中での弟1はいつまでも幼少期のイメージなので、こうして車で迎えにきてくれる姿を見ると「立派になって…」と謎の感動があります。弟1、うちの妻、ぼくの3人を乗せた車は東へ走ります。
無事に会場に着いて、この日はお通夜がありました。そのまま親戚みんなで葬儀場に泊まります。おじさんのことを想いながらにぎやかに過ごしました。
9/26 火
葬儀と出棺がありました。やはり、出棺のときがもっとも感情を揺さぶられます。
妹とぼくたち夫婦はこの日に帰路に着く予定で、父が帯広空港まで車で送ってくれました。飛行機の出発を待って過ごす時間が2時間ほどあり、妻と妹がたくさんおしゃべりして盛り上がっていたのがうれしかったです。
帯広空港、羽田空港、品川駅、新宿駅、松本駅、信州まつもと空港、と順に移動して10時間くらいかけて帰宅しました。さすがにヘトヘトです。
思ったこと・考えたこと
日月火と密度の高い3日間を過ごして、帰ってきての感想は「楽しかった」になりました。帯広の会場に着くまではしんみりとした気持ちでいたのですが、親戚で集まって過ごす時間は本当に楽しかったです。この気持ちを隠してしまってはなにを書いても嘘になると思うので、素直に書くことにしました。
おじさんは、ぼくの父の姉の夫。中学校時代までは年に一度くらいは会っていたと思います。よくかわいがってくれていました。お年玉ももらっていましたね。
喪主を務めたおばさん、その子どもたち(ぼくから見ると従兄弟)、それからうちの両親もそうだな。ぼくよりもおじさんと近い位置にいて縁の深かった人たちが、ずっと明るくふるまっていました。悲しくないわけなんかないのに、いろんな人々が集まるこの場を、にぎやかで楽しいものにするぞ、という強い方針を感じました。おかげで、ぼくは楽しかったのです。きっと、おじさんもよろこんでいたんじゃないかなあ。
おばさんのことは心配していて、現地では少しでもなにか手伝おうと思って過ごしていました。「じゃあ、じゅんちゃんにお願いしようかな」とふたつの仕事を任せてもらえてうれしかったです。ひとつは集合写真撮影の仕切りで、もうひとつは棺桶に入れるための寄せ書き集め。寄せ書きは、まずはおばさんに書いてもらうのがよかろうと思って最初にお願いしました。「う〜ん、なんて書こうかな〜」と軽やかに言いながら書いてくれた内容がとてもよくて、思わずその場で少し泣きました。
配偶者を失うことを想像したことはあります。ありますけれど、実際に失った瞬間の深さを100としたら、ぼくが想像で潜ったことのある深さはせいぜい1だったのだと思いました。おばさんが書いた数行のメッセージを読んだところ、ああ、長年いっしょに過ごした人がいなくなるって、そういうことなんだな……と思って、一気に20くらいまで沈んだ感じでしょうか。息ができなくなるような、視界が歪んでいくような、そんな感覚を味わいました。
妻もおばさんのことを心配していて、火曜日の別れ際には、おばさんのところに歩いていってハグをしました。「がんばってるよね、無理しなくていいからね」とおばさんの背中をやさしく叩いて、ぼくにはできない寄り添い方だと思って心から感心しました。おばさんがとてもよろこんでくれていたように見えました。
ここで少し別トピック。うちの親族たちが、妻のことを「ひとりの人間」として扱ってくれるので助かっています。「長男の嫁」みたいな役割を押し付けるような態度を取ってくるようだとぼくは「会わせたくない」「連れていきたくない」となってしまうでしょうから、そうじゃなくて本当によかったと思っています。妻の話すことひとつひとつを否定せずに聞ける人たちでよかった。感謝。
さて、ぼくはこのあと数年間で県をまたぐような引っ越しを何度か繰り返す予定ですが、北海道への移動のことは考慮しておくとよさそうですね。少なくとも「ここに住む場合は、こういう経路での移動になる」を住み始める前に把握しておこうと思いました。
自分が死んだときのことを考えると、もし集まってくれる人々がいるのなら、めいいっぱい楽しく過ごしてほしいと真剣に考えるようになりました。妻とふたりで「大和田終活」という取り組みを始めて、自分たちの生とこれまで以上に向き合ってみようと思います。
おじさん、どうか安らかにお眠りください。おばさんを松本に呼ぶ話が盛り上がっているし、しばらくはそっちに行かせないからね。
今週の音楽
『ドキッ!こういうのが恋なの?』 リズム天国ゴールド 挿入歌
りんご音楽祭2023で掟ポルシェさんが流していたこの曲が頭から離れなくなっていて困っています。
今回のニュースレターの雰囲気に合っていないか~もねッ!ハイッ\(^o^)/
また次の日曜日くらいに配信予定です
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